設計のすすめかた     


私たちの事務所では、つぎのような段階で設計を進めていきます.

基本設計(基本計画を含む)
実施設計
見積依頼、確認申請、工事業者選定
工事監理
建物引渡し
1年点検、2年点検

という手順になります。
基本設計、実施設計という各々の内容は各事務所により、見解の差があると思われますが、私たちの事務所では下記のように考えております。しかし実際にはシームレスに進むので厳密に段階ごとに分かれるわけではありません。

■基本設計

プランの検討が主になります。

その土地に対してどのように住まうか、また、どのような生活をしていくのか、ここが一番大切です。

ここにいかに時間を割くかがポイント。

具体的には下記のような手順で基本計画を進めていきます。

1回目の打ち合わせ
これから建築する家に対する思いを聞かせていただきます。

2回目の打ち合わせ
タタキ台のプラン(A1プラン)を提案し、具体的な話をします。
「こうじゃない、ああじゃない。でもこんな感じは好きだな。」などなど

3回目の打ち合わせ
A2プラン(A1プランの発展型)、B1プラン、C1プランを提案。
「なるほど、C1こんなのもありだな。でも、こんなのができるんだったら、こんな風にはできないの」

4回目の打ち合わせ
C2プラン、D1プラン(こんな風にはできないのの具体案)、場合によってはまったくあたらしいタイプのE1プランの提案。
「E1がいいなあ」

5回目の打ち合わせ
E2プラン(4回目の打合せでいただいた意見での修正案」、E3プラン(E2をやってて思いついた新しいアイデアを盛り込んだ案)を提案。
「E2プランの方向でいきましょう。細かい部分で・・・」

6回目の打ち合わせ
E4プランを提案

という具合です。(もちろん、最初の一案で決まることもあります)

こういった打ち合わせの流れのなかで

・空間の大きさはいいのか
・光はちゃんと入るか
・風は流れるか
・外部との関係は良好か
・きちんと生活ができそうか
・気持ちいいか

などなどいろいろ考えをめぐらせて建築をイメージしながら、それぞれのプランを確認し、どのプランを発展させていくのか、はたまた別の考えによる新しいプランを試みるのか、方向を見つけます。

私たちはタタキ台のプラン(A1プラン)から3次元CADを使用しているため、この段階から平面図とともに大まかな3次元CGパースやウオークスルーにて自由 自在にすべての方向を見ていただきながら、全体の計画をご説明させていただいております。そのため、図面をはじめてご覧になる方にも、はるかに平面図のイ メージを具体的につかんでいただけます。

場合によっては、実施設計で行なうコンセントの位置や照明器具、キッチンのプランなどもこの段階で打合せする場合もあります。ここでも3次元CGによる確認作業をおこないます。

■実施設計

実際に工事を発注したり、確認申請に出すための設計図書の作成です。
また、実施設計図というのは契約するための図面でもありますし、細かな情報を施工する人に確実に伝える図面でもあります。
この段階に入りますと、機種などの決定、家具、仕上げなどこまかな打ち合わせになります。
電気設備や管設備、空調設備などの図面も含まれます。

■見積依頼、確認申請、工事業者選定アドバイス

実施設計の図面を業者に渡し、見積依頼をします。通常は5社程度に見積をお願いしています。10日から2週間くらいの見積期間を設け、各社から御見積書をいただきます。
御見積書は内容をチェックし、ここから業者選定。納得のいく見積書を出した業者と交渉、内容がうまく成立した段階で、施主と工事業者の2社で契約を交わしていただきます。
それと同時並行で確認申請手続きを開始します。
確認申請が降り、業者との契約が終われば、いよいよ工事着工です。

■工事監理

実施設計図をもとに工事の監理をおこないます。
施工図のチェック、各種部材の承認、現場が図面どおりにできているかの監理をおこないます。

そして、工事が完了して建物の引渡しとなります。


■1年点検、2年点検

点検をおこないます。

(2009年1月改定)