鉄筋コンクリート造住宅について     


現在、当事務所で設計する住宅では、鉄筋コンクリート造の割合が増えています。強風による揺れに関しては、この構造に勝るものはありません。

じつは数年前にできた地球シミュレーターというコンピューターの計算によると、西暦2100年には日本にもカテゴリー5の台風が来るようになるとの結果が出てました。カテゴリー5の台風とは数年前にアメリカに上陸して多大な被害をもたらしたハリケーン・カトリーヌがそれにあたるようです。風速で言いますと80m/秒、これは時速288kmになります。この速度の風にのって飛来物がぶつかるということは、F1の直線なみの速度でモノが飛んでくるということで、ほとんどの建築材料では室内空間を守ることができなくなります。

では、2100年というのは、遠い未来かというと、いま、生まれてきた子たちが90歳になるころであり、それほど遠い未来ではないのです。また、2100年に突然カテゴリー5になるのかというわけではなく、今から徐々に台風が強力化していくと考えられます。すると、いま30歳の方が家を建て90歳になるころが2070年。もしかしたら風速70mくらいの台風は来るようになっているのかもしれません。もちろん、いま、取り付けているガラス等で対応できないかもしれませんが、改修をする上で構造体を扱わないで済むというのは大きなアドバンテージだと考えています。

コストに関しましては、木造や鉄骨造に比べて割高になるのも事実です。しかし、内外ともコンクリート打放し仕上げにすることに加えいろんな試行錯誤の結果、ローコストの坪単価50万円弱の建築費も可能になりますが、かなりシンプルなプランで、設備であることが前提となってきます。

ただ、環境という切り口でいきますと30坪の住宅1軒で5m角くらいのコンクリートを使用するわけで、その素材となる砂、石、セメント、そして鉄筋の鉄の原料が、どこかの山で切り出されたり海から砂を採取しますので、だれかのふるさとの山が姿を消し、海がかわるなどの影響を与えているのも事実ですから、これらのコンクリートが将来確実にリサイクルできるようになることを期待したいところです。