ASJ-2    


外観
防火規制の一種である法22条指定区域ですので、外壁には防火性能が求められています。今回は建物を永く使っていただくことを重視しメンテナンスの容易さを優先して敢えて塗装済のサイディングをそのまま使うことにしました。そんな中にも木造であることを肌で感じられるように構造上影響のない部分に木を用いることによって、工業製品であるサイディングの冷たさを和らげてみました。

LDK全景
全体の構成は1階がLDKと客間にもなる和室、それに水回り、2階にプライベートルームとなっています。写真正面が東で道路に向いた南面には光をふんだんに取り入れるため吹き抜けをもうけ、大きめの開口を持たせました。また、通風にも気をつかい、北側にはデッキに向いた開口を設けています。

リビングコーナー
内部は漆喰の壁と杉材の組み合わせです。アトピー対策にF☆☆☆☆という規格を鵜呑みにせず、極力、自然の素材を使用しました。ただ、コストやデザインなどとのバランスの中で、ドアパネルなどに限り化粧合板だけは使用しています。また、開口部には引きこんでしまえる障子を設置しました

吹き抜け
真壁構造を採用しました。いまは、外壁をサイディングで囲い、内部を大壁にして木造でなのかコンクリート造なのか鉄骨造なのかわからない家がふえていますが、やはり、自分がどんな構造の家で育ったのかを自然に感じることは大切だと思います。柱や梁の大きさを実感し、木という材料がどういう性質のものなのかを無意識のうちに身につけることはモノの性能を知る上での比較材料としては最高の体験のはず。また、真壁だと構造材が呼吸しやすく、かつ、木の状態を管理しやすいという利点もあります。

和室1
和室はリビングより高く設置しています。バリアフリーという点では疑問があるでしょうが、実際には畳の部屋で車椅子を使用することはありません。また、この程度高くすることによって、リビングでソファに座っている人との目線が近くなるだけなくソファやテーブルの脚が目に入りにくくなり、和室からみたリビングの景色がきれいに映るようになります。和室の仕切りのふすまは写真左側の壁に引きこんであります。

和室2
和室からリビングを見てみるとリビングの腰窓の高さが自然に感じられることがわかると思います。たった18センチ程度の高さですが、このような効果をもたらします。ただ、いざとなれば和室を板張りの部屋にしてバリアフリーにできるような対策は施してあります。

キッチンコーナー
和室です。収納を確保するため、お仏壇を床の間と一体で中央に設置しました。天井は品合板を目透かし張りしています。4壁はLDKと共通で漆喰仕上げです。

2階学習スペース
ブリッジ部分です。手すりが軽く見えるようにスチール製にしています。

2階個室
個室はすべて杉板を張っています。やはりアトピー対策。とはいえやはり建具は化粧合板張りです。いざとなれば撤去や交換が可能なのでOKとしました。同コスト程度の化学物質を使用していない材料を見つけたのですが意外にないのが実情です。

洗面・脱衣室
2階の個室と同じくこちらも、杉板仕上げです。洗面台は壁付き水栓でよく出来ています。

トイレ
トイレも杉板仕上げです。右上の箱は太陽光発電のコンディショナーです。