工法(構造)について
住宅でも、いくつかの構造を選べます。
木造
軽量鉄骨造
重量鉄骨造
鉄筋コンクリート造
それに上の構造を組み合わせたいくつかの方法。
それぞれに特徴があり、どれがいいとは一口には言い表わせません。
土地の状況(平面形状、断面形状、地盤の状態、造成の状態)
住まいかた
耐用年数
台風などの影響
日当たり
などなど
挙げあるときりがありません。
たとえば
作品集にある住宅を例に工法を選んだ理由を挙げてみます。
「長崎 三原の家」
屋上に駐車場を設置することが大前提でした。選択できる工法は鉄骨造と鉄筋コンクリート造。ただ、屋上に車を入れる際の揺れが心配だったこと。それと防水の安定性を考慮して鉄筋コンクリートとしました。
「長崎 高浜の家」
大工さんが捜してくれた土地でその大工さんが得意とする在来の木造住宅としています。
「長崎 滑石の家」
自然を愛するオーナーには山小屋のように木をふんだんに感じられる木造は必然でした。
「長崎 平瀬の家」
将来、自由にプランを変更できるよう7m×7mの大空間を提案しました。考えられる工法は鉄骨造か鉄筋コンクリート造。3階にリビングや子供部屋から出られるテラスを設置したかったため、防水の安定性を考慮して鉄筋コンクリート造としました。
「長崎 西坂の家」
斜面地に建つため、あまり重量を増やしたくなかったこと。それと将来、改修する際に木造住宅のように柱や梁に制約を受けないよう鉄骨造を選択しました。
「長崎 母の家」
台風が何度も上陸したことのある野母半島に高齢の母が安心して住めるように選択したのが鉄筋コンクリート造です。
壁材が飛来物で壊れる、屋根が飛ばされる、雨戸が吹き飛ぶ・・・・。そのため、台風のコースに入ると近所から、雨戸を止め付ける音が聞こえ、瓦が飛ばされないように屋根に土嚢をおいたり、網をかけたりする姿も・・・。もちろん、強風で揺れることもしばしば。
そんな環境に適したものといえばやはり鉄筋コンクリート造となります。ただ、ローコストを図るため2階の床は木造を選びました。厚い無垢の木の床板を根太なしで使用することにより、天井なしでも木のやさしさをたっぷりと味わえるようにしています。
「長崎 家野の家」
道路面より2m下にある敷地で、車1台を駐車するスペースを確保することが必要でした。
駐車部分を道路面と同じ高さに鉄筋コンクリートでつくり、その下を大きな収納スペースとしています。
また、隣の公園に立派な桜の木がありますので、シロアリ等の対策を兼ね1階部分を鉄筋コンクリートとし、その上に木造の空間をつくっています。